子育てに悩む親へのカウンセリングで定評のある著者が,カウンセラーとしての豊富な経験に基づいて,「しつけ」について解説した本です.子供に生じている様々な問題(いじめ,不登校,ひきこもり,少年犯罪など)のほとんどが,実は,しつけの後遺症だということです.厳しすぎるしつけによって,子供が追い詰められた結果が,現在の悲惨な状況なのです.素直な良い子が突然豹変する.そんな事態を招かないためにも,しつけの怖さを知っておく必要があります.
本書は,「このようにしつけなさい!」と号令をかけるタイプの本ではありません.厳しいしつけが子供に与える影響,その後遺症,子供のためを思って厳しくしつけてしまう母親の気持ち,現代の子育て事情などを,具体的な例を示しながら解説し,母親はもっと気を楽にしていいのだというメッセージを送ります.結論は,タイトルにある通り,しつけをしないぐらいでちょうど良いのだということです.特に,小さい頃から勉強をさせるなという主張です.
育児に奮闘中の人達はもちろん,これから育児をする人達,そして育児をする人達の周囲の人達,みんなが読むと良いでしょう.
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