読書の記録<お>

お母さんはしつけをしないで
長谷川博一,草思社,2005

お母さんはしつけをしないで

子育てに悩む親へのカウンセリングで定評のある著者が,カウンセラーとしての豊富な経験に基づいて,「しつけ」について解説した本です.子供に生じている様々な問題(いじめ,不登校,ひきこもり,少年犯罪など)のほとんどが,実は,しつけの後遺症だということです.厳しすぎるしつけによって,子供が追い詰められた結果が,現在の悲惨な状況なのです.素直な良い子が突然豹変する.そんな事態を招かないためにも,しつけの怖さを知っておく必要があります.

本書は,「このようにしつけなさい!」と号令をかけるタイプの本ではありません.厳しいしつけが子供に与える影響,その後遺症,子供のためを思って厳しくしつけてしまう母親の気持ち,現代の子育て事情などを,具体的な例を示しながら解説し,母親はもっと気を楽にしていいのだというメッセージを送ります.結論は,タイトルにある通り,しつけをしないぐらいでちょうど良いのだということです.特に,小さい頃から勉強をさせるなという主張です.

育児に奮闘中の人達はもちろん,これから育児をする人達,そして育児をする人達の周囲の人達,みんなが読むと良いでしょう.

おカネがお金を産む時代
増田俊男,太陽企画出版,1999

おカネがお金を産む時代

「お客様は神様」であるから,経済的にはアメリカが主で日本が従でなければならない,など独自の切り口.

おじいさんは山へ金儲けに 時として,投資は希望を生む
村上龍,日本放送出版協会,2001

おじいさんは山へ金儲けに 時として,投資は希望を生む

投資教育を目的とした本で,誰もが知っているような有名な日本の昔話を今風にアレンジして,投資に関する教訓を読者に学ばせようとしている.しかし,昔話を元ネタにしてはいるものの,かなり無理矢理で,別に面白くもないし,何を学んだらいいのか明確でないものもある.この本の最後に,投資の心得11箇条について対談形式でまとめられているのだが,それだけで十分.投資教育の重要性については強い共感を持つが,この本自体は読むほどのものではない.

おもちゃの王様―世界中で愛され続ける定番ベストガイド
相沢康夫,PHP研究所,2003

おもちゃの王様―世界中で愛され続ける定番ベストガイド

「好きッ!絵本とおもちゃの日々」の著者である相沢氏が,おもちゃの定番78製品を厳選して紹介している本です.相沢氏の考える定番おもちゃとは,(1)一定の期間製造販売され続けている,(2)奇をてらわずシンプルである,(3)子供に媚びず,子供を馬鹿にしない,(4)子供の発達をふまえている,という4つの基準を満たすおもちゃです.

この本は漫画ではなく,おもちゃの解説書,解説付きカタログです.0〜5歳ぐらいの子供向けがほとんどですが,中にはバックギャモンのようなゲームも紹介されています.紹介されているおもちゃは多種多様で,著者の趣味に偏ることがないようにと配慮されているため,まともな解説書として,とても参考になります.

子供にどんなおもちゃを与えるべきか悩んでおられる方には,是非読んでいただきたい本です.新米パパママなら,知らないおもちゃがほとんどだと思います.店頭で悩むよりも,この本で予習してから買いに出掛ける方が良いです.

To Top
Copyright © 2000-2005 DreamChaser. All rights reserved.
admin@chase-dream.com