モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語
ミヒャエル・エンデ,岩波書店,1976

ドイツ児童文学賞を受賞した超有名ファンタジー小説.「はてしない物語(ネバーエンディングストーリー)」の著者がミヒャエル・エンデだと言えば分かる人が多いのかもしれない.が,私としては,「お金」について考えさせてくれる人というのが,ミヒャエル・エンデのイメージだ.

モモは,小学校高学年あたりで読める小説のようだが,大人も十分に楽しめる.実際,読んでみて面白かった.私が幼稚なだけかもしれないが...

小さな女の子モモが住む街に,「灰色の男たち」が現れる.時間貯蓄銀行から来たと名乗る彼らは,「成功するためには,お金持ちになるためには,時間を節約しないといけない.もう,無駄にする時間なんてない.時間を倹約して,その時間を時間貯蓄銀行に預けなさい.」と大人に営業し,時間を貯蓄させる.契約した人々は,時間を倹約することに必死になり,お金持ちにはなるが,忙しく,ゆとりが無く,怒りっぽくなり,いつもイライラして,とても不幸せそうになる.子供は大人に相手にしてもらえず,そればかりか,遊びは時間の無駄だと言って,将来役に立つようなことをするように押し付けられる.人間すべてが「灰色の男たち」に支配されそうになったとき,本当の時間を知ったモモが,「灰色の男たち」から時間を取り返してくれる.そういう話だ.

途中,なぞなぞが1つ出てくる.

三人のきょうだいが,ひとつの家に住んでいる.
ほんとはまるでちがうきょうだいなのに,
おまえが三人を見分けようとすると,
それぞれたがいにうりふたつ.
一番うえはいまいない,これからやっとあらわれる.
二番目もいないが,こっちはもう家から出かけたあと.
三番目のちびさんだけがここにいる,
それというのも,三番目がここにいないと,
あとのふたりは,なくなってしまうから.
でもそのだいじな三番目がいられるのは,
一番目が二番目のきょうだいに変身してくれるため.
おまえが三番目をよくながめようとしても,
そこに見えるのはいつもほかのきょうだいだけ!
さあ,言ってごらん,
三人はほんとはひとりかな?
それともふたり?
それとも−だれもいない?
さあ,それぞれの名前をあてられるかな?
それができれば,三人の偉大な支配者がわかったことになる.

マイスター・ホラ(時の賢者)がモモに投げかける,なぞなぞだ.わかるかな?

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