「人生の短さについて」,「心の平静について」,「幸福な人生について」の三篇からなる.人は時を浪費するのを止め,最高の善,徳を求める生活をすべきであると説く.決して取り戻すことのできない時間を他人が奪っていくことを問題視し,多忙にかまける人間を咎め,時間を自分のために使うべきとする.セネカはローマ皇帝ネロの教育係であり,政治家であった.ストア派であるが,財産に支配されるのではなく,財産を支配する限りにおいて財産の所有を良しとする自説を展開している.新約聖書の時代であり,興味深い.
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