成果主義を自分の味方につける法―人事コンサルタントがそっと教える

成果主義の人事制度は，富士通などの例にもあるように，日本で必ずしも成功しているとは言えない．しかし，既に成果主義を導入した企業の人事制度が過去のものに戻るとは考えにくいし，何よりも，成果が評価に反映されないような人事制度は根本的に不適切だ．そうであれば，より良い運用を目指して，成果主義を修正していく努力が必要であるし，従業員には成果主義の人事制度の中で自分の評価を高める努力が求められる．

このような背景のもと，本書は，成果主義が主流となる今後の日本において，正しく評価されるために自分から行動を起こすべきだと訴え，専門分野を２つ以上持つことや，経営者の立場になって考えてみることなど，実行してみる価値がある取り組みを具体的に紹介している．人事制度に文句を言うのは簡単だが，そこから意味ある何かが生まれるわけではない．もっと前向きに，自分自身を磨くという意識を持って，企業内での自身のプレゼンスを高めなければならない．本書は，そういう意識を持つきっかけに，あるいは実際に行動するきっかけになりうるだろう．