「論語」についての安岡正篤氏の講話4編をまとめたものである.論語を知らない人はいないと思うが,読んでいる人でも,自分の実生活に活かせている人は希だろう.本書では,最初の「論語読みの論語知らず」において,自身の体験をふまえて,論語を人生に活かす読み方が書かれている. 講話録であるから,論語を逐一解説しているわけではない.いくつかの言葉について,その意味するところを詳しく説いている.平易に解説されているため,論語を読んだことがないという人でも読める.「あー,この言葉も論語が出典なのね」と思いながら,自分の生き様を見つめ直すことができるだろう. |