頭のよい子が育つ家

頭のよい子が育つ家
四十万靖,渡辺朗子,日経BP社,2006

頭のよい子が育つ家

首都圏有名中学に合格した子供が育った家を200軒以上調査した結果,そのような子供は孤立した子供部屋では勉強せず,リビングやダイニングのテーブルで家族,特に母親とコミュニケーションを取りながら勉強していることがわかりましたという内容です.小学生が個室で黙々と勉強するというのは極めて不健全な姿だと思うので,この結論については,そりゃそうだろうなと思います.そもそも,私自身,宿題以外に,小学校のときに自宅で勉強した記憶はありません.それでも,世間体の良い大学には入れています.

家族とのコミュニケーションが大切であり,家族の気配を感じられるような,子供部屋が孤立しないような家が良いというのは,その通りだろうと思います.しかし,200軒以上調査したと書かれているものの,例として挙げられているのは11件で,この結論が本当に統計的に見ても正しいのかどうかは不明です.少なくとも正しいと信じる根拠は示されていません.まあ,そんなに意地悪を言わなくても良いのでしょうが.

それよりも,各事例が,こんな家で育った○○君は,○○さんは,見事,最難関の○○中学に合格できたのでした,という形で締めくくられていることに違和感を覚えました.有名中学に合格することが,そんなに重要なことなのだろうかと.前書きで,わざわざ中学受験の礼賛者ではありませんと断っていますが,実際そうなんでしょうが,本書から受けるのは,有名中学合格を人生における非常に重要な出来事と捉えているという印象です.私の好みではありません.

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